空港の利用状況(2023年3月現在)
成田国際空港株式会社が公表した2023年3月の空港運用状況によると、国内線の旅客数は69万人でコロナ禍前の水準にまで戻りました。国際線の旅客数も198万人で、外国からの来日人数も125万人。3カ月連続で100万人を超えており、人の流れが回復してきたといえます。
またJALグループが公表した2023年ゴールデンウィーク期間の利用実績は、国内線の総旅客数が約93万人で、2018年度比101.5%となり、完全にコロナ禍前の水準に戻り、上回ったのです。
これまで3年間、どこにも行けなかった旅行好きな人、ビジネス利用を自粛していた出張族の飛行機利用頻度が高くなることは想像に容易く、空港を利用する方は今後も増えていくでしょう。
次章では、そんな空港広告の魅力と特徴についてお伝えしていきたく思います。
空港広告の魅力と特徴
毎日たくさんの旅客者の目に留まり、見られるだけでも魅力的な空港広告ですが、深堀りすると魅力だらけです。本章では、空港利用者の特徴、鉄道駅との違いなどについて、解説していきます。
空港利用者の特徴
現在は、LCCなど格安航空券の登場で、飛行機に気軽に飛び乗って全国各地へと繰り出せるようになりましたが、国際線はもちろんのこと国内線も決して安くはありません。
日帰り利用と比べると、少なくとも1泊2日や数日滞在される方が多い傾向です。なかには複数のビジネス・生活拠点を構え、定期的に行ったり来たりしている方もいます。
空港利用者の特徴の最たるものは、国内外問わず経済力がある人です。富裕層や経営者、大手企業の役員など、お金を持っているもしくは決済する権限を持っている方だからこそ、飛行機を利用して国内外に行けるのです。
またインバウンド=爆買いというイメージが定着していますが、来日する海外の人すべてが富裕層というわけでありませんが、ある程度のお金があり、生活に、時間に余裕がある人たちが多いでしょう。
そういう人たちをターゲットにしたい商品やサービスは、空港広告を利用しない手はありません。
空港での滞在時間、駅との違い
飛行機に乗るためには、出発時刻前にカウンターでチェックイン、荷物を預け、保安検査を受けなければなりません。そのため多くの方が、早め早めに空港に向かいます。
一方で新幹線や特急列車の利用者は、出発時刻にホームに到着しておけばよく、チェックインや保安検査もないため、ギリギリに向かっても問題ありません。
空港利用者の多くは早めに到着して、空港内を散策したり、ロビーに座って搭乗できるまで待ったりするため、周囲を見渡す余裕があり、空港内にある広告も自然と目に入りやすくなります。
決まった動線で効率的に広告の訴求が可能
「空港広告って視認性が高いよね」
「ブランド認知を高めるのに適しているよね」
このように空港広告では「広告が絶妙な動線上に配置されている」と広告出稿中の企業担当者様から好評価をいただくことがあります。
空港施設自体、空港利用者が発着時にスムーズに飛行機に搭乗でき、到着後もスムーズに空港を出て移動できるような動線(経路)づくりがなされています。空港広告も、歩行者の動線に沿って、目に入りやすい場所に配置されていることが多く、魅力の一つと言えます。
このように魅力的な空港広告の種類について、次章で解説していきます。
空港広告はどのような種類の媒体がある?
デジタルサイネージ広告
デジタルサイネージ広告とは、壁や柱などに設置されたモニターに映し出された画像や動画広告のことです。飛行機の運行状況や気象情報など、空港利用者にとって必要不可欠な情報を提供するデジタルサイネージの流れの中で、有料の広告枠も用意されています。自然と目に入ってくる広告と言えます。
電照看板
空港広告として長い期間、多くの広告主に利用されてきた広告が電照看板です。アクリルなど透過性のある板にシートやラミネート広告を貼り付け、その中に設置されたLED電球が点くことで、ひときわ目立ち、歩行者の目に自然と入ります。
バナー広告・シート広告
バナーとは、観光地などで人を出迎える際に使われている「ようこそ」・「歓迎」などと書かれた布製の「幕」を指します。空港の場合は、空港の天井から吊り下げられた垂れ幕(バナー)の広告を指します。広い壁面には、シート広告(非電照広告)が出されていることもあります。空港施設は、天井も高く、スケールの大きい広告を出すことが可能です。
ボーディングブリッジ広告
飛行機を乗り降りする際に私たちが足を踏み入れる、ターミナルビルと飛行機をつなぐ橋(渡り廊下)のことをボーディングブリッジといいます。ボーディングブリッジ広告は、その内部だけではなく外部にラッピングすることも可能です。
内部の広告はボーディングブリッジ内を歩く飛行機乗降客にリーチでき、外部の広告は駐機場や滑走路にあるすべての飛行機の離発着時に、窓際の人たちにリーチできます。
プッシュカート広告
主に国際線などでよく見かける大きなキャリーケースや荷物を台車にまとめて載せて移動する人たち。その台車がプッシュカートです。
台車に広告スペースを設けることで、プッシュカート利用者はもちろん、すれ違う人たちや同じ方向に進むたくさんの人たちに見てもらえます。
集中ポスター貼り広告
空港や鉄道駅を闊歩していると、何度も同じ広告が貼られている、見渡す限り同じ広告で占拠されている光景に出くわしたことがありませんか?
それが集中ポスター貼り広告です。見れば見るほど、その広告の商品やサービスに親しみを感じ、親近感が出てくるという単純接触効果が見込める広告です。
機内誌広告
飛行機に搭乗した際、
・ANA「翼の王国」
・JAL「SKYWARD」
を読むのを楽しみにしている方もいるでしょう。翼の王国は2021年4月にデジタルに切り替わりましたが、希望すれば紙冊子版がもらえ、持ち帰ることもできます。
数時間の空の旅。非日常の空間で、普段読むことがない機内誌にゆっくりと目を通す方も少なくありません。そのため出稿すれば、機内誌を読む人たちに商品やサービスを認知してもらえます。
機内ビジョン広告
先にお伝えしたデジタルサイネージのように、飛行機内の座席の前にあるモニターにて画像や動画を流し、プロモーションを展開することも可能です。
このように空港広告には、さまざまな種類があることをご理解いただけたかと思います。また枠が空いていれば、複数の広告を組み合わせることも可能です。
例えば、新商品発売や新サービス開始のタイミングに合わせて、ターミナル内のデジタルサイネージ、シート広告、ボーディングブリッジ広告などを同時に仕掛ければ、商品やサービスの知名度を、一気に高めることができます。
空港によって乗り降りする旅客数は異なり、就航便の数も違ってきますので、空港によっても設定されている広告料金が変わります。
そこで次章では、空港別の広告料金を解説していきます。
主な空港の広告料金の違い
羽田空港
羽田空港では、
・電飾看板広告
・短期ポスター広告
・映像式広告
の出稿が可能です。
羽田空港での広告費用相場は、電飾看板広告が450万円/年、短期ポスター広告を選択し40枚ほど掲示する場合、400万円/月となっています。
成田空港
成田空港では、
・電飾広告
・スポット広告
・ボーディングブリッジ広告
・プッシュカート広告
・デジタルサイネージ
を活用できます。
成田空港での広告費用相場は、デジタルサイネージが70~400万円/月、ウォールラッピングが40~650万円/月となっています。
伊丹空港
伊丹空港では、
・デジタルサイネージ(大型ビジョンあり)
・看板
などを出せます。デジタルサイネージの広告費用は要お問い合わせのようです。
伊丹空港における看板広告の費用一例ですが、税別2000万円/年(110㎝四方10面)となっています。
関西空港
関西空港では、
・電照看板
・デジタルサイネージ
・シート広告
・バナー広告
・プッシュカート
などに出稿できます。
関西空港における電照看板の費用一例ですが、税別940万円/年(220㎝×68㎝のサイズの看板が9面セットで)となっています。
中部空港
中部空港(セントレア)では、
・デジタルサイネージ
・バナー広告
・ポスター広告
などの出稿が可能です。
中部空港におけるデジタルサイネージの費用一例ですが、509万円/年となっています。
福岡空港
福岡空港では、
・電照看板
・デジタルサイネージ
・シート広告
を出せます。
福岡空港における広告費用相場や、一例は、要お問い合わせですが、このように各空港では、様々な種類の広告枠を用意して、広告主の「予算に合わせた宣伝活動をしたい!」というニーズに応えています。
ただし景気変動や国際情勢、物価の高騰下落に伴い、その費用も変わる可能性があります。また広告制作費、設置費、撤去費は含まれないケースがほとんどです。
本章を読み進め、空港や飛行機に広告を出すとなると予算オーバーしてしまうと感じた、経営者の方や広報担当者の方も少なくないでしょう。
実は、空港利用者をそのままターゲットにでき、同じくらいのリーチと効果を得られる広告媒体が存在しますので、最終章でご紹介したいと思います。
空港へのアクセス経路でも広告の実施が可能
空港に向かう際、家族から自家用車で送ってもらう人もいると思うのですが、出張先、観光地では必ずといっていいほど鉄道やリムジンバスを使うはずです。
空港に直行する鉄道やバス、駅、ターミナルに広告を出稿すれば、空港に広告を出すのと同程度もしくはそれ以上の、効果を享受できるかもしれません。
鉄道
東京モノレール羽田空港線やJR東日本成田エクスプレス、南海電鉄特急ラピートなど、空港と各主要駅を結んだ鉄道を利用して、多くの方が空港に向かいます。
デジタルサイネージや看板はもちろん、駅広告では柱巻やラック広告、電車広告では中吊、ステッカーなど、利用できる種類も広がります。
またリーチできる人は、空港利用者に限らず、すべての駅、電車の利用者にまで広がりますので、空港広告だけではなく鉄道広告も視野に入れ、効果をシミュレーションしてみるといいでしょう。
リムジンバス
空港と都心部など各地をダイレクトにつなぐ交通手段リムジンバスも、たくさんの空港利用者に選ばれています。リムジンバス広告には
・モニター広告
・座席広告
・乗車券裏面広告
などがあり、商品やサービスによっては高い親和性を発揮するかもしれません。
まとめ
空港広告は、国内外問わず経済力がある人が見る可能性が高く、ビジネスパーソン向けサービスやインバウンド旅行客にウケのよい効果的な手法です。枠数に限りがありますので、さまざまな種類の広告からご希望の広告が見つかれば最新の状況の確認が必要です。
広告に興味があるけど何から始めたら良いかわからないといった質問から、広告の予算や時期、目的が決まっているので提案が欲しいといった具体的な問合せまで、気になることがあれば、問い合わせフォーム または電話(Tel 06-6621-1483)まで何でもご連絡ください!
<補足>
ekicoには、鉄道ごとの広告媒体を一覧で見ることができる「料金表一覧ページ」を設けています。さらに広告料金の相場を知ったり、広告の比較をされるのに便利です。ご覧ください。⇒ 「広告料金表」